監督・脚本:アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ/撮影:ジョゼ・メデイロス/編集:ヴァルヴェルヂ/美術・衣装:アンジェロ・ヂ・アキーノ/
音楽:ギリェルメ・マガリャンイス・ヴァス/メイクアップ:カルロス・プリエト/プロデューサー:ロベルト・ファリアス、アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ/
出演:ミルトン・ゴンサルヴェス、オデッチ・ララ、ステパン・ネルセシアン、ネルソン・シャヴィエル ほか
1973年/ブラジル/100分/カラー/原題:A RAINHA DIABA
デビルクイーンと呼ばれるその人は、ヴィヴィッドな色のアイシャドウを塗ったまぶたから鋭く光る視線でリオデジャネイロの裏社会を支配している。売春宿の奥の部屋から、部下のギャングたちに恐怖を、自分の王国の “ドールズ” にキャンディをバラまき、愛用のジャックナイフで脚をシェーブし、裏切り者を切り裂く。ある日ハンサムなお気に入りが警察に追われていることを知ると、右腕であるカチトゥに、キャバレーシンガーのイザのヒモ、世間知らずのべレコをスケープゴートとして警察に差し出すよう指示する。しかし、クイーンの恐怖政治も安泰ではなく、事態は思わぬ方向に動きはじめ……。
1930年代の伝説的なギャングでありドラァグパフォーマー「マダム・サタン」をインスピレーションの源とした本作は、ギャング、同性愛者、ドラァグクイーン、娼婦など、軍事独裁政権下のブラジルで最も疎外された人々を、強烈なサウンドと極彩色の美術、暴力とクィアネスを融合して描き、1974年にカンヌ国際映画祭出品、その後ブラジルで一般公開されると瞬く間にカルト的な人気を博した。
ある時は恐怖で組織を支配するギャングのボスとして、またある時はスウィートな女王として狂気とチャーミングさを見事に同居させたデビルクイーンを演じたのはブラジルの伝説的俳優ミルトン・ゴンサルヴェス。シネマ・ノーヴォとボサノヴァのミューズのひとりであるオデッチ・ララがキャバレーシンガーとして出演している。監督は『Copacabana Me Engana 』(68)で劇映画デビュー、ブラジルのサイケロックバンド・ムタンチスやシンガーのガル・コスタなどトロピカリア・ムーヴメントを代表するアーティストたちのドキュメンタリーを手がけたアントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ。本作で非常に重要な役割を担う美術・衣装はブラジルにおけるメールアート・ビデオアートの先駆者アンジェロ・ヂ・アキーノによるもの。また、シネマ・ノーヴォの旗手グラウベル・ローシャ監督によれば「ブラジルの光を作り出す方法を知っていた20世紀唯一のフォトジャーナリスト」であったジョゼ・メデイロスが撮影監督を務めた。
ブラジル映画史の中で最も抑圧的だった時代の検閲をくぐり抜け、世界中の映画祭で観客を熱狂の渦に巻き込むも、日本では知られざる存在だった異端にして伝説のクィア・ギャング映画が50年の時を経てついに本邦初公開となる。
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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北海道 | シアターキノ | 011-231-9355 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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東京 | 下高井戸シネマ | 03-3328-1008 | 12月21日(土)~12月26日(木) |
東京 | シアター・イメージフォーラム | 03-5766-0114 | |
神奈川 | 横浜シネマリン | 045-341-3180 | |
栃木 | 宇都宮ヒカリ座 | 028-633-4445 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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愛知 | ナゴヤキネマ・ノイ | 052-734-7467 | |
静岡 | 静岡シネ・ギャラリー | 054-250-0283 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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大阪 | テアトル梅田 | 06-6440-5930 | |
京都 | 京都シネマ | 075-353-4723 | |
兵庫 | 元町映画館 | 078-366-2636 |